日本文化総合年表
日本文化総合年表
要約:全時代を対象とした日本文化史年表。
- 作者: 市古貞次,浅井清,久保田淳,篠原昭二,堤精二,堀内秀晃,益田宗,三好行雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/03/08
- メディア: 単行本
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書誌情報
- 編者:市古貞次・浅井清・久保田淳・篠原昭二・堤精二・堀内秀晃・益田宗・三好行雄
- 出版社:岩波書店
- 出版年:1990年3月
- 頁数:596頁(年表pp2~451,索引pp454~586,難音訓一覧pp.587~593,年号索引pp.596,597)
- 値段:定価8800円(現在品切重版未定)
- 表記:横組み、六列の欄。
内容
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対象:「1988年(昭和63)までの、日本文化史上重要と思われる事柄を収録したもの」。全時代を対象として、「学術・宗教」「美術・芸能」「文学」「人事」に文化を区分。その他総合的理解のため、「政治・社会」「国外」の欄つき。
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詳細:近代の部分の欄は、左から「西暦」「和暦」「天皇」「政治社会」「学術・思想・教育」「美術・演劇・音楽」「文学」「人事」「国外」。もっとも幅が広く取られている「文学欄」は、1601年以降は韻文系統と散文系統に大別され、点線で区切られている。1868年以降は、小見出しが〔詩〕〔歌〕(短歌)〔句〕(俳句)〔小説〕〔評・随〕(評論・随筆)に分かれる。索引は一括。難音訓一覧は一文字目の画数順で「那波列翁伝」といった書名・作品名・人名など。
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付記:1781~1784から1861~1864までは見開きに四年分、1865~1867から1877~1879は見開きに三年分、以後は見開きに二年分の年表。
参考例
〔小説〕1.1大倉桃郎「琵琶歌」(大阪朝日,~2.23).1夏目漱石「吾輩は猫である」(ホトトギス,~`06.8).漱石「倫敦塔」(帝国文学).3.5小栗風葉「青春」(読売,~`06.11.12).4.5トルストイ作・内田露庵訳「復活」(日本,~12.22)(中略)
〔評・随〕1高須梅渓「青年の煩悶と現代小説」(新潮).正岡子規「仰臥漫録」(ホトトギス)
―p367より引用
使い方
索引と合わせて説明しよう。索引で夏目漱石を調べようとすると、
「棗亀」 1743
夏目漱石 1916
「夏目漱石」(赤木桁平) 1917
「夏目漱石論」(赤木桁平) 1914
夏目甕麿 1822
―p540より引用
という箇所に行き当たる。数字は西暦を表す。人物については、その没年で採録されており、著作者として登場する個所は索引に表記されない。作品については
「吾輩は猫である」1905
のように、年表に記載されていれば索引に表記されるが、索引から著者名で探すことはできない。「人事」欄に記載されている漱石の留学の記事なども索引に収録されていないので、網羅的に調べるのに適した索引ではない。ピンポイントに作品の出版年などが知りたいときは有効である。
備考
この年表は横に見ると面白い。1905年でいうと「政治・社会」1.1旅順が降伏するなか「学術・思想・教育」では2関野貞「法隆寺金堂及中門非再建論」以降に法隆寺再建論争が始まっており、「美術・演劇・音楽」では6.20には竹久夢二の初の署名画「筒井筒」が『中学世界』増刊号に掲載されている。「文学」〔詩〕では5石川啄木の第一詩集『あこがれ』が出版、〔小説〕では漱石が小説家として活動を開始、一方で3森鴎外は奉天で露国赤十字社員の護送問題に奔走する。「国外」ではアインシュタインが相対性理論を発表。政治だけでなく文化の動きから時代の息吹が感じられる、とでもいおうか。