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歴史の方法

近現代日本を調べるためのブックガイド。ググらず自力で調べるのに役立つ、事典や目録などの書物を気ままに紹介していきます。

明治時代史大辞典

時代:明治 百科事典

明治時代史大辞典

要約:明治時代とはなにか、その多様性が分かる。

 

明治時代史大辞典 1

明治時代史大辞典 1

 

 

明治時代史大辞典 2明治時代史大辞典 3明治時代史大辞典 4

 

 

  • 編者宮地正人・佐藤能丸・櫻井良樹
  • 出版社吉川弘文館
  • 構成:第一巻(あ~こ)2011年12月、第二巻(さ~な)2012年7月、第三巻(に~わ)2013年2月、第四巻(補遺・付録・索引)2013年10月。
  • 頁数:各巻平均1010頁。
  • 値段:1~3巻は28000円+税、4巻は20000円+税
  • 表記:縦組、三段組

 

内容

  • 対象:明治時代に関する百科事典。「政治・外交・法律・経済・社会・風俗・宗教・思想・文芸・美術・メディア・教育・女性等」、「当該時期のあらゆる問題に関する筋道立った把握が可能となるように努めた」うえに、「これまで軽視されてきた軍事や技術・学術・芸能・衛生・スポーツ」なども配慮した選定。「各府県における動向と変化」を明らかにするため府県ごとの項目で地域史も叙述。

  • 収録数:事項・人物あわせて9500項目。

  • 詳細 

・各府県の項目では総論のほか、明治初年農民一揆、民権結社、新聞、雑誌、私立学校、銀行、に節を分けて各地方史が叙述されている。

・第四巻の索引は、人名(人物の氏名、号、家名など(屋号などは「事項」に分類))・事項(「人名」「典籍」以外の事物、地名など)・典籍(書籍、資料、新聞、雑誌、歌舞伎等の外題)に分類。 

・第四巻の付録は

基本資料……政治、軍事、経済、社会など明治時代全般にわたる職制や人事、統計などを収載。

明治前期……明治時代前期の職制や統計として、修史局編纂『明治史要 付録概表』(明治9年)より収載

明治中期……明治時代中期の人口や産業などの統計として、『日本国政事典』第2巻(昭和28年)より収載。

明治後期……明治時代後期の国土や人口、税金や郵便などの概要を示すものとして、『博文館日記(大正2年用)』(大正元年)の巻末付録資料より収載。

番付……明治期に政治家などへと対象が広まった番付を、内容種別ごとに掲載。

 の構成。細目は明治時代史大辞典 4 -参照 。一応引用しておく。

【基本資料】

1三職 2七科 3八局 4太政官制組織図 5太政官制元老院 7内閣 8内大臣 9内大臣秘書官長 10宮内大臣 11宮内次官 12元老 13元帥 14侍従長 15侍従武官長 16枢密院議長 17枢密院副議長 18枢密顧問官 19行政省庁 20各省大臣 21内務次長 22警保局長 23警視総監 24大審院長 25検事総長 26明治2年時の藩一覧 27府藩県変遷図  28府県令・知事一覧 29市制施行都市 30主要都市市長 31 宮家 32華族 33皇室財産の推移 34韓国統監・朝鮮総督 35韓国副統監・朝鮮総督政務総監 36朝鮮軍司令官 37朝鮮軍参謀長 38台湾総督 39台湾総督府民政局長・民政長官・総務長官40台湾軍参謀長 41関東総督・都督・長官 42関東都督府民政長官・事務総長および関東局総長 43樺太庁長官 44樺太守備隊司令官 45南満洲鉄道会社総裁 46東洋拓殖会社総裁 47主要政党系統図 48帝国議会 49衆議院議長 50衆議院副議長 51貴族院議長 52貴族院副議長 53衆議院議員総選挙有権者数・投票者数 54衆議院議員総選挙党派別当選者数(付・第1回衆議院議員選挙当選人) 55貴族院勅選議員 56陸海軍大将 57参謀本部機構変遷図 58参謀総長 59参謀次長 60陸軍次官 61陸軍省軍務局長 62 監軍・教育総監 63 鎮台 64師団 65陸軍諸学校 66陸軍将校養成学校変遷67 朝鮮駐箚軍・朝鮮軍司令官 68清国駐屯軍・支那駐屯軍司令官 69鎮守府・要港部 70軍令部機構変遷図71軍令部総長 72軍令部次長 73海軍次官74海軍省軍務局長 75艦政本部長 76連合艦隊司令長官 77戦艦・巡洋戦艦 78巡洋艦 79海軍艦船類別標準 80海軍諸学校 81陸海軍武官官等表 82陸海軍兵役 83軍事費の推移 84主要条約・協定 85在外公館長 86大公使館付武官 87工部・内務・農商務各省の官営事業と経営状況 88官業払下げの過程 89商品陳列所 9019世紀に開かれた万国博覧会  91内国勧業博覧会 92主要金融機関の系譜 93国立銀行 94特殊金融機関 95日本銀行総裁 96横浜正金銀行頭取 97日本勧業銀行総裁 98日本興行銀行総裁 99台湾銀行頭取 100朝鮮銀行総裁 101内地朝鮮台湾輸出入品総価額  102職業別1日当り賃金 103東京における主要商品卸売価格 104金利の動き 105通貨現在高 106外国債 107貨幣 108財閥 109勲章 110褒章111位階 112官国幣社 113教派神道 114キリスト教信徒数の推移115主要御雇外国人 116御雇外国人の年別・官庁別延べ人数 117士族反乱 118士族授産場社119自由民権運動 120自由民権運動政党・政社 121明治前期の私擬憲法 122大逆事件受刑者 123郵便局と郵便函の数 124一等郵便電信局 125集配等級と集配回数・郵便電信局及郵便局数 126逓送速度ごとの行嚢の量目 127郵便線路の里数 128種類別郵便物数 129内国通常郵便料金 130学齢児童数および就学児童数 131高等教育機関 132(内地)婚姻離婚出生死産死亡総数累年表 133主な鉄道の時刻表 134世界の地名の漢字表記 135和暦西暦・新旧暦日対照表

 

【明治前期】1皇族表 2品位表 3官制表 4内外長次官一覧表 5官省使庁府県官員表 6官省使府県雇使外国人表 7各国締盟年月地名表 8公使領事館創置表9外国駐箚公使領事表 10各国公使交替表 11府県使藩総表 12全国戸口一覧表 13官国幣社祭日表 14社寺及神官僧尼表 15全国教導職概表 16海外留在人員表 17律例略表 18賞与表 19海陸軍律略表 20行刑表 21六管鎮台表 22陸軍概表 23海軍官員及船艦表 24歳入歳出予算表 25家禄賞禄表 26府県民費総計表 27六港輸出入表 28内国新旧公債表 29外国債支消表 30改定度量衡表31貨幣鋳造及発行数額一覧表 32旧貨幣司鋳造金銀銅貨概表 33新紙幣種類及交換表 34官省使及旧藩県旗下紙幣表 35国立銀行表 36電信表 37鉄道表 38鉱山表39郵便局及郵便為替局表 40内外郵送品通計表 41燈台燈船浮標礁標略表 42船舶表 43浅草文庫図籍 44楓山秘庫図籍45新聞紙表

 

【明治中期】

1日本の面積及周囲 2全国人口 3人口の密度 4全国出生死亡 5府、県民有地田、畑、宅地反別地価 6府県民有地の内塩田、山林、原野及牧場、鉱泉地、沼及雑種地反別地価 7米作反別収穫高(粳米・糯米・陸米) 8麦作段別収穫高(大麦・裸麦・小麦) 9民有地段別平均地価 10大豆、小豆、粟の作付段別及収穫高 11稗、黍、蕎麦の作付段別及収穫高 12甘藷、馬鈴薯、菜種の作付反別及収穫高 13養蚕(繭の産額) 14製茶 15製糖 16水産物魚獲高(生魚の一部) 17乾鰮等搾滓及魚油 18製塩 19官行鉱山(明治26年度) 20主要鉱産物製出高(金属) 21主要鉱産物産出高(非鉄金属)  22酒類醸造高 23醤油醸造高 24蚕糸、真綿及蚕種産額 25織物製造高 26綿糸紡績製造高 27東京瓦斯会社 28横浜瓦斯局 29東京水道 30広島水道(広島市郡) 31神奈川(横浜)水道 32大阪水道33長崎水道(長崎市居留地) 34北海道(函館、根室、函館区郡)水道 35電燈会社36純金銀及金銀貨平均相場 37外国為替相場 38米・麦・大豆・酒等の平均相場 39東京に於ける常用品相場 40輸出入総額 41郵便線路及局数等 42全国鉄道線路(明治31.3.31現在)43私設鉄道 44電信局数及線路 45銀行 46銀行預金 47銀行貸付金 48私立銀行 49株式組織取引所 50会員組織取引所 51商業会議所 52預金53郵便貯金 54病院及医師、産婆、薬剤師、獣医等 55全国伝染病患者数 56全国神社57全国寺院 58全国学校 59官公私立幼稚園 60官公私立図書館 61新聞・雑誌 62火災 63文官及傭 64陸軍官衙人員 65海軍官衙人員 66各種公債 67貨幣鋳造及発行高 68紙幣及兌換銀行券 69国庫歳入出 70地方税収入 71地方税支出 72衆議院議員及選挙者 73衆議院議員選挙 74衆議院議員党派別投票得点数及直接国税納税額(明治31年) 75在留外国人の数 76官傭外国人国別 77私傭外国人国別 78北海道移住人員 79北海道アイヌ人口 80台湾の田、圃 81台湾本籍人口 82台湾の製茶 83台湾の製糖 84阿片烟膏製造高 85製脳

【明治後期】

1四季名勝遊覧 2本邦経緯度 3本邦周囲及面積 4著名高山 5著名大河 6著名湖沼7各国面積及人口 8東京公庁所在地 9東京より各地方庁所在地に至る里程 10人口男女別 11各国大都会人口 12関東州現住戸数及人口 13文部省直轄学校 14徴兵総員 15各国陸軍 16陸軍常備団隊配備表(1) 17陸軍常備団隊配備表(2) 18陸軍常備団隊配備表(3) 19海軍区画 20艦団隊配置人員 21軍艦 22駆逐艦 23各国有効軍艦 24各国鉄道電信及郵便 25 諸会社数及資本金 26輸出入物品、金銀貨及金銀地金価額 27歳入歳出及国債未償還高 28各国歳入出、国債及貿易額 29新貨幣明細表 30単利積算表 31複利積算表 32年利日歩換算表 33利子早見表 34公債株式利廻一覧表 35内外国各港間航路浬程表 36諸税納期及届出期日一覧 37地租条例摘要 38相続税法摘要 39所得税法摘要 40営業税法摘要 41登録税法摘要 42印紙税法大要 43利息 44民事訴訟並に非訴事件印紙税  45内国郵便 46内国郵便為替 47 郵便貯金 48日清郵便 49内国電信 50外国郵便 51外国電報 52恩給年金支給 53徴兵諸則摘要 54民法親族篇綱領 55民法相続篇綱領 56各国貨幣度量衡対照表 57新式万年暦

【番 付】

政治番付 長者番付 諸芸見立番付 芝居役者番付 講談師・落語家番付 義太夫番付 俳諧番付 書画家番付 相撲番付 写真師番付 学者番付 医者番付 娼妓番付 おかず番付 日本人の体格 温泉番付

 

  • 付記:別刷図版あり。第一巻に、医学・衛生、岩倉使節団、建築、広告。第二巻に新劇・西洋音楽、戦争、通信事業、鉄道。第三巻に日本画と西洋画、明治時代の社会風俗、兵営、旅行案内。

参考例

ズボン ズボン 洋服の基本的な衣服の一つで、腰と両脚部を別々に覆う。幕末の開国によって、幕府や各藩の様式の軍事調練の際に着用され、明治時代に男子服の洋装化とともに普及した。明治三年(一八七〇)に陸軍と海軍の制服、四年に郵便職員と邏卒(巡査の旧称)、五年に鉄道職員の制服が制定されるなど、ズボンは近代化に伴う新しい職業の制服として着用されるようになった。(中略)

ズボンの語は、フランス語のジュポンjupon(女子のアンダー=スカートなどを意味する)が転訛したという説がある。また、明治三十一年(一八九八)刊の落合直文編『ことはのいつみ』には、幕末のころ、幕臣の大久保誠知がズボンと足が入るからズボンだと言い始めた、と記されている。→制服

【参考文献】昭和女子大学被服学研究室編『近代日本服装史』(一九七一、近代文化研究所)、太田臨一郎『日本近代軍服史』(『風俗文化史選書』五、一九七二、雄山閣出版)(植木淑子)

第二巻pp396-397より引用。

使い方

『国史大辞典』と基本的に同様だが、人名・事項・典籍と、索引の種類が異なる。ズボンの場合、事項索引を引いて、

ズボン ②396c 423c〔制服〕424a〔制服〕

とある。二巻396頁の下段にズボンの項目があること、二巻の制服の項目、423頁下段と424頁上段でズボンの語に言及があることを示す。

 

備考

明治時代に関して、『国史大辞典』より項目の細かい百科事典である。政治経済などに限らず、文化史的な語句も多く収録しており、「明治時代史」の多様な理解に役立つ。『国史大辞典』の刊行開始から三十年以上経った現在、日本近現代史全般に関しては最新の事典であり、その間の研究の進展も記述に反映されていると言える。図版や付録が充実しており、かなり面白い。