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歴史の方法

近現代日本を調べるためのブックガイド。ググらず自力で調べるのに役立つ、事典や目録などの書物を気ままに紹介していきます。

考察・分析・検討:論文を書く4

文章を書くとき、文末表現で悩むことはないだろうか。

気づけば考察の繰り返し、分析や検討を織り交ぜて考察を減らすというのは芸がない。

では、ほかにどのような文末表現があるだろうか。自分の文章や手近な研究書から適当に拾ってみた。なお以下の並べ方にとくに規則はない。

 

という されている している わけではない 成果である 研究である 妥当である

述べる 描く 言及する 主張する 示唆する 指摘する 把握する 提起する 論点である 結論づける 位置づける 研究視角 立場にある 問題点は 継承する 展望する 構図となる うかがえる 類似する 意義がある 重要である 見出す 参考とする 志向がある 認められる 挙げる 並列する 共通する 分ける 分類する 区分する 列挙する 対置する 趣旨である 伺われる 判断する 特徴づける 解説する 見落とす 見逃す 論じられない 尽くされていない 残される 捉えられない みなしがち 視野に入らない 収斂する 論じる 考察する 説明する 理解する 解釈する 分析する 解明する 追う 深化する 描く 考慮する みなす あてる 考える 求める 検討する 検証する 実証する 論証する 推察する 留意する 注意する 念頭におく 目を向ける 視野に入れる 触れる 定義する 記述する 論点とする 問を立てる 手掛かりとする 仮定する 予想する 想定する 反映する 取りかかる 概観する 整理する まとめる キーとなる 必要がある 関連する 連関する 逆照射する 対象とする 抽出する 対照する 評価する 認識する 限定する 限る とどめる 使用する 取りあげる 確認する 読み解く 着目する 顧みる 試みる による 分かる 示す 裏付ける 証拠となる 蓋然性が大きい 可能性がある 言えよう ようである 考えられる 

 

これから文章を書くときに少しは役立つかと思う。ただ今回の作業を通して実感したのは、文末表現が考察であろうと検討であろうと、大して重要ではなさそうなことだ。無論、同じ個所で繰り返し考察するなどは避けるべきだが、考察か分析かという区別は導入や結論の分かりやすさにほとんど影響を及ぼさないようだ。

 

問題は、その考察や分析の内容にある。「…を考察する」という雛形のなかで、…の部分でどれだけ考えを深め表現を練れているかが重要なのである。そして内容部分が中途半端なときにこそ、考察や論証や把握といった表現が鼻についてしまうのだ。

文末表現はいわば白米のようなもので、メインディッシュの味が論文全体の評価を左右する。ステーキがまずければご飯もまずくなる。

それに、この文末表現例は、炊き加減がやや固い。「漢字二字+する」は減らすよう心がけた方がよい。そのためには、一文一文の表現よりも、段落や節ごとの論理構成に気を配るべきだ。

あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ

とは論文にもあてはまる。分析やら視角やらといった言葉を多用したところで、史料に鋭く切り込めるわけではない。弓を使わず鳥を射落とす者こそ名人である。