歴史の方法

近現代日本を調べるためのブックガイド。ググらず自力で調べるのに役立つ、事典や目録などの書物を気ままに紹介していきます。

文部省維新史料編纂事務局編『文部省維新史料編纂事務局所蔵図書目録』

文部省維新史料編纂事務局編『文部省維新史料編纂事務局所蔵図書目録』

国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている↓(ただし出版年を1938年としているが誤りだろう。昭和11年=1936年が正しい)

 文部省維新史料編纂事務局所蔵図書目録

 

収録対象:「昭和十一年三月末現在に於ける文部省維新史料編纂事務局所蔵図書」

和漢図書は五十音順、洋書は編著者名のアルファベット順。

現在は東京大学史料編纂所に所蔵される、いわゆる維新史料引継本の目録である。

編纂所の所蔵資料目録データベースから、貴重書→維新史料引継本で全件検索できるが、書名を五十音順に調べることができないので、この目録で確認すると便利だ。

 

目録は、和漢図書、洋書、附録(一)東京帝国大学文学部史料編纂所々蔵史談会採集本、附録(二)外務省所蔵正続通信全覧・公文、となっている。

和漢図書にしぼって見ると、記載内容は順に、図書名、編著者名、発行年代、装釘、冊数、分類記号、図書番号。

分類記号がやや特殊である。凡例には「分類記号欄の一は購入又は寄贈によるもの、二は本局作成にかゝるものにして多くは諸官衙諸家所蔵史料の副本なり」とある。記号は「い(一般史料)、ろ(伝記、武鑑、辞典、年表)、は(談話筆記)、に(公文、上書、建白書)、ほ(公文、日記、手記)、へ(書翰類)、と(紀行文)、ち(詩文、遺稿)、り(地図、絵画、写真)、ぬ(洋書)、る(家譜、武鑑、辞典、表類)、を(雑書)、わ(目録)、よ(出張報告)」と、いろは順に付けられているようだ(ただし関東大震災後には「に」「と」は「ほ」に、「る」は「ろ」に、「を」は「い」にまとめたとある。「本局蒐集の図書は大正十二年の関東大震火災の際殆んど全部を焼失し」たたらしい)。

 

一例を抜きだすと、

図書名:木戸孝允書翰 編著者名:岩倉具視 発行年代:明治四年二月十日 装釘:写 冊数:一 分類記号:ニへ 図書番号:三三一 (182頁)

 図書といっても、本来は図書ではない史料も含まれる。この場合、分類記号が二へなので、維新史料編纂事務局が書翰を写して所蔵していることが分かる。

明治中期以降に活躍する人の史料や本も意外とあるので、発見が多い。