歴史の方法

近現代日本を調べるためのブックガイド。ググらず自力で調べるのに役立つ、事典や目録などの書物を気ままに紹介していきます。

『全国地方史誌総目録』北海道・東北・関東・北陸・甲信越/東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄

『全国地方史誌総目録』北海道・東北・関東・北陸・甲信越/東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄

 

編集:日外アソシエーツ編集部、発行:日外アソシエーツ

刊行:2007年6月、7月。

「北海道・東北・関東・北陸・甲信越」編には北海道、青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の20都道府県、

「東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄」編には岐阜県、静岡県、愛知県、三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県、福岡県、佐賀県長崎県熊本県大分県、宮崎県、鹿児島県沖縄県の27府県の分が含まれる。

自治体や教育委員会の編纂した地方自治体史の図書目録で、「資料集、資料目録、分野史、時代史、副読本、報告書等は採録していない」

 

対象期間は明治時代から2007年3月と、既存の地方史誌の図書目録より網羅的であるため、自治体史を調べる際に現時点で最も信頼できるものと思われる。

現在の市区町村ごとに立項されるため、合併により消滅した市町村の自治体史は合併後2007年現在の市町村の項に含まれる。配列は刊行が新しい順である。

 

記載内容は、

書名/副書名/版表示/著者表示

巻次/各巻書名/出版社/出版年月/ページ数または冊数/大きさ

収録内容・範囲

以上を踏まえ、岩手県遠野市の見出しをみてみよう。刊行が新しい順に、

『千年の森へ 宮守村合併50周年記念誌』、『遠野町誌』、『宮守村誌』、『遠野市史』、『定本附馬牛村誌』、『上郷村誌』、『遠野町誌』、『上閉伊郡綾織村郷土誌』が紹介される。うち『遠野市史』の記載内容を一部引用すると、

遠野市史 遠野市史編修委員会編修

(第1-3巻省略)

♢第4巻 萬葉堂書店 1977.3 1008p 22cm

内容 近代続:大正15(1926、昭和元)から終戦まで/現代:昭和21(1946)から昭和43(1968)まで/文化/年表

と、書誌情報に加えて各巻ごとの記載範囲も説明してくれる。

 

「近現代」が複数巻にわたる自治体史では、記載範囲の区切りがOPACからは分かりにくく往々にして請求に苦労するが、『全国地方史誌総目録』を確認すればその労は省ける。近代に限らず、全時代の調査において有用な書物であろう。