歴史の方法

近現代日本を調べるためのブックガイド。ググらず自力で調べるのに役立つ、事典や目録などの書物を気ままに紹介していきます。

『全国市町村史刊行総覧』

『全国市町村史刊行総覧』 

全国市町村史刊行総覧

全国市町村史刊行総覧

 

 1988年3月末までの日本全国の自治体史(市町村史・県史も含む)の情報を掲載する。

編者にあたる名著出版編集部が、1987年5月に全国の自治体に送ったアンケートと、その後の補足調査がもととなったと凡例にある。

これに加えて、

『地方史文献総合目録』下 戦後編(阿津坂林太郎編、巌南堂書店、1972年)

『日本件名図書目録』地域・地名 日本(日外アソシエーツ、1984年)

国立国会図書館所蔵主題別図書目録』昭和23~43年 歴史(日外アソシエーツ、1985年)

国立国会図書館蔵書目録』昭和44~51年 歴史地理(国立国会図書館図書部編、1987年)

国立国会図書館蔵書目録』昭和52~60年 歴史地理(国立国会図書館図書部編、1987年) 

日本全国書誌』(国立国会図書館編、大蔵省印刷局、週刊)

 を参照している。

 

こうした目録の常として網羅性が問題となるが、本書が戦後刊行された書籍のみ(つまり1945-1988)、戦後複数回刊行されたものは新版のみを収録対象としている点には留意が必要である。また自治体からの回答がなかったのか、収録されるべき書籍がありながら空欄となっている市町村も見受けられる。

 

興味深い点としては、1988年3月時点での刊行状況が併記されることが挙げられよう。

完了(全巻刊行を完了したもの)・継続(刊行継続中のもの)・準備(プラン・日程等が決まり、編集・執筆段階のもの)・計画(具体的プラン・日程等未定のもの) 

 とあるが、計画よりも巻数が増減している自治体史もいくつか見受けられる。

平成の大合併以前の自治体史を探す時には、地名も含めて参考となるだろう。